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 ◇『DOMINION(ドミニオン)

2008年 RIO GRANDE GAMES社製 2〜4人用 【カードゲーム】【中世】【デッキ構築】

 代々続いてきた小国の領主だ、あなたは。

 受け継いだ財産と領地の拡大だ、あなたが望むのは。

 同じ境遇にして同じ思惑の領主たちだ、あなたと対するのは。

 

 トレーディングカードゲーム(TCG)、楽ありゃ苦もあるさー・っつって。

 最大の楽「デッキ構築」を織り込んで、最大の苦「トレーディング要素」を排したら、こうなった。

 そんなゲーム。

 

そこいらの陣取り盤ゲームっぽい箱の絵、と大きさ 

 

 始めに、全員が同じ内容のデッキを持ちます。7枚の《Copper》と3枚の《Estate》からなる、たった10枚ですがよくシャッフル。

 残りのカードは種類別に場の中央に並べて置き("サプライ"と称する)、後に各々がココから購入して自身のデッキを組んでいくことになります。全てのカードにはそのためのコストが設定されてます。

 

 カードは大きく分けて3つ。[財宝]、[勝利]、[王国](・・どっかの編集方針か)

 

  [財宝]は、サプライにあるカードを購入するためのコスト支払いに使う。《Copper》(1コインの価値)、《Silver》(2コイン)、《Gold》(3コイン)がある。

 

  [勝利]は領地を表すもので、ゲームの最終目標であり、最終目標でしかない(ゲーム中は何らの効果を持たないムダカード)。合計得点の大きい者が勝利する。《Estate》(1点)、《Duchy》(3点)、《Province》(6点)がある。

 

  [王国]は、手番ごとのアクションを消費してプレイする、様々な効果を持つカード。コレを駆使することで手札に[財宝]を集めて[勝利]を購入するのが基本的なゲームの流れ。

  全25種が用意されてるが、1回のゲームに使用するのは10種のみ(このへんにトレーディングな感じを留める?)

 

 

サプライの[財宝]も、普通に手札の[財宝]で支払って買う。金で金を買うのも妙な気がせんでない。

  

 今回使用する[王国]を選び、適当に先手決めたらゲーム開始。

 手番プレイヤーは以下の順にフェイズを実行します。

 

  A)ctionフェイズ:1アクションを得る。それを消費して[王国]カードをプレイし、効果を適用できる。

 

  B)uyフェイズ:1枚購入権を得る。それを消費してサプライから購入できる([財宝]でコストを支払う)。

 

  C)lean-upフェイズ:自身の全ての場札と手札を、自身の捨て場に置く。デッキから5枚引く(尽きれば直ちに捨て場を混ぜて再構築)。手番終了し、左隣プレイヤーへ移る。

 

 最初のAフェイズでは、ありがちなTCGに近い展開が見られます。「アクションを増やす」&「カードを引く」連打など、いわゆるコンボがよぉよぉ見られ、ウマーくつながればソロプレイの様相を呈するほど。なお、初期デッキには[王国]がありませんので、実行は早くて3ターン目からになります。

 

 次のBフェイズは、悩みどこながらワリと地味なパート。普通なら入手したカードは("入手"っつーくらいやし)手札に入りそうなもんですが、このゲームでは原則、"Gain"したカードは常に取得者の捨て場へ置かれます。これにより、続くCフェイズでデッキを引き切って、捨て場から再構築するまではそのカードにアクセスできないことに。Aでデッキをいかに効率よく回せるかがカギと云えそで。

 

 何しかCによって、場には何も残らない上、手札も残そうが使い切ろうが必ず刷新されます。Magicと似て非なる感覚の所以。

 

 コレを繰り返して、サプライから「《Province》がなくなる」「いずれか3種がなくなる」と、ゲーム終了。各自、デッキに含まれる[勝利]カードの得点を数えます。

 

 

 

 あと、ゲームに登場する[王国]カードは、前述のように開始前に選んだ10種だけで、それら組み合わせによってその回のテンポや展開(ひいては面白さ)は、ほとんど決まってくると云えます。なんで、それなりに考えた方が良さげ。

 

 例えば、一般的なプレイでは、価値の低い[財宝]や[勝利]はむやみにデッキを圧迫するので避けられる傾向があります(たぶん)。

 そこで《Thief》を入れてやる。すると、奪取を警戒して《Gold》→《Province》の流れに単純には持っていきづらくなり、多様性が出ます。で、さらにソレに対抗しうる《Moat》や《Moneylender》なんかも一緒に採用したり、とか(このへんMagicのキューブ編集に通じるもんがある?)

 

 アクション24種(うちアタック5種、リアクション1種)と、[王国]兼[勝利]1種

 《Thief / 盗賊》:アクション−アタック

  =各対戦相手につき、そのデッキの上から2枚を公開する。あなたはその中の[財宝]を1枚選んでゲームから取り除き、他方をその相手の捨て場に置く。あなたは、この方法で取り除いたカードを好きなだけ得る。

 

 《Moat / 濠》:アクション−リアクション

  =カードを2枚引く。

  =他者がアタックをプレイした時、これを手札から公開すれば、あなたはその影響を受けない。

 

 《Moneylender / 金貸し》:アクション

  =手札から《Copper》を1枚取り除く。そうした場合、Bフェイズに3コインを得る。

 

 ルールブックにも一応の指針としてオススメの組み合わせが紹介されてます。

 

 

 あとは、・・エキスパンションが出て欲しいような・キレイに完結して欲しいような。

 

 ともあれ。

 TCGの発想を逆転させた佳作です、コレは。

 

  仮邦題:『統治法』 2008/11/11

 

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