古き預言に伝わる邪悪な存在“シャドウ”がその下僕どもを操り、王国を狙っています。
「彼奴を仕留めし者に金貨40枚の報奨を授ける」
王様の出した御触れに、ハンター達が集まりました。
あなたは、シャドウの居所や、捜索、撃退のすべを記した預言の断片を求めつつ、仲間を募って力をつけねばなりません。
BoardGameGeekで評判よかったので購入(こんなんばっか)。

箱絵・・・ヴィジュアル的にあかぬけないというかバタくさいというか
外箱に、
「ドイツゲームの戦略とアメリカゲームのファンタジー世界が合体」
的なことが書かれていますが、個人的にはあまり独ゲーの臭いは感じません。ソレっぽいところと云えば、コマが木製なのと、鉛筆とメモ用紙が同梱されているトコ(・・)くらいでしょうか。何より基本がカードゲームで、アイテムやハンターの特殊能力がテンコ盛りという、いかにも『Magic:
The
Gathering』以降の米ゲーの様相?が顕著に見られます。
ハンター、闇の下僕、アイテムのカードがあわせて100枚ちょっと
シャドウというラスボスを倒すとゲームは終わり、その時点で最も金貨を持っているプレイヤーが勝利します。
シャドウの性質をあらわす3つの要素は、各々が4種類からなり、ゲームの始めに無作為に決められます。プレイヤーは各自に配られたハズレ札を探り合って、その答えを消去法で見つけ出します。ご存知の方はお察しのように、要は『クルー』です(私はやったことないんスけどね・・ってオイ)。
その方法ですが、他者に直接質問する代わりに、コレと思われる3要素を挙げて“ハント宣言”をします。他者は、自分のハズレ札がソレに該当するなら、ハント宣言をしたプレイヤーにハズレ札を見せて“ハント妨害”をしなければなりません。誰にも妨害されなければアタリで、いざシャドウと対決、という寸法です。ハズレならシャドウの下僕との戦闘になります。
クルーよりも(たぶん)推理する要素は少ないですが、上記宣言できる要素に一定の縛りがあります。すなわち、自分のパーティのハンターがその要素のスキルを持っていなければならないのです。

シャドウの性質をあらわす「預言」カード・・・以下、画像の並びどおり
居所=導きスキル:「宮殿」「地下墳墓」「暗き森」「神秘の谷」
捜索法=捜索スキル:「おとり」「痕跡」「魔術」「知識」
撃退法=戦闘スキル:「捕縛」「近接攻撃」「遠隔攻撃」「魔法攻撃」
各ハンターはスキルを2つ持ちます。つまり、少なくともパーティに2体のハンターがいなければハント宣言はできません。パーティに必要とおぼしきスキルを持つハンターを雇わねばならないのですが、雇用はプレイヤー間の競り(この辺が独ゲー?)によってなされるので、目当てのハンターを雇えるとは限りません。したがって、
「答えはわかったが、どーにもシャドウの元へ辿り着けん」
といった事態も発生します。
またシャドウや下僕との戦闘も、単純に、指定された戦闘スキルを持つハンターがパーティにいれば勝利、というアッサリしたものなので、スキルはとても重要です。下僕を倒した時も金貨やアイテムが手に入るのです(余談ですが、たいがいのファンタジー盤ゲーの戦闘はサイコロ勝負なんで、えーかげん食傷気味です・・・)。
面白いのは、ハンターを雇う時の競りで、ここでは懸けるのが金貨ではなく、王様の報奨金の分け前なのです。つまり将来手に入る金貨の取り分を約束するわけで、あまりハンターを雇いすぎたり、競りでヒートアップすると、たとえシャドウを倒しても、
「自分の財布には金貨5枚しか入らん」
ということにもなりかねません。また、一度約束した分け前を反故にするには、基本的には、手切れ金を払って解雇するか、戦死させるしかなく、いずれにせよウマいとは云えません。

分け前を視覚的にあらわす8分割されたコマ(Share)と金貨、銀貨・・・と鉛筆、メモ用紙
一方で、ゲームの核であるはずのシャドウ探しですが、まともに推理をするよりもイロイロな特殊能力で探った方が手っ取り早いような向きもあります。まぁ、プレイ時間の短縮のためには?そうゆうバランスでも仕方ないのかもしれません。あるいはシャドウは他プレイヤーに任せて、ひたすら下僕ハントで金貨を貯める勝ちパターンもアリ、なのかも(難しそうですが)。
12枚の手掛りカードから真相の3枚を除いた9枚のハズレを、各プレイヤーの手持ちのヒントにする都合上、このゲームは3人プレイが基本です。オプションルールでそれ以外の人数でもプレイ可能ですが、半ばムリからに見受けられました(未使用のヒントを公開情報にしたり、一部プレイヤー間でヒントを共有したりすることになるあたり)。
まー逆に云えば、少人数で遊べるいいゲームということで。
仮邦題:『狩人組
〜独米ハーフ・あずさ2号機リフトオフ!〜
』 2006/01/06
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